GTV 86 | GT-specific rod
ヘビー級ルアーを誰もが一日中投げ続けられる竿の柔らかさと、大型GTと戦う竿の強さは対極にあるが、GTVはどちらの要素も捨てないアクションを目指した。レングスは8フィート6インチ。この長さは、ショアでの使用を考えてやや長めに設定した。
GTVの”V”はバーサタイルの意味。1本でショアGT、オフショアGTをこなすために多くの現場で2年間かけて開発されたGT専用ロッド。
刻一刻と環境が変わる磯でのテストを中心に開発し、横風、向かい風でテストを繰り返し、GTフィッシングにおいて大敵とも言えるガイド絡みを最小限に抑えるガイドサイズと配置を出した。
リールシートはやや根本側にセット。ファイト時においては重心が低くなることで、アングラーの負担を軽減。また、磯においてはリールシートが低い分、使えるブランクスが長くなるため、飛距離を稼ぐことができ、ラインメンディングややり取りのアドバンテージが大きくなるように工夫されている。
レギュラーテーパーだが、バットからベリー中心にかけてパワーを持たせているため、全体的に曲がるオフショアロッド系ではなく、ショアGTロッド系のレギュラーファースト気味なアクションに設定してある。
またフォアグリップを長くしてある。これは船べりや磯でのロッド破損を防ぐ意味や、両手で掴みながらポンピングをしやすくするためにこだわった。
机上の論法ではない。全て現場主義で考え抜かれた最良の手法をこのロッドに織り込んである。
高反発のカーボンよりも柔軟性を重視した結果、グラス含有分の若干の重さは許容した。開発初期は高カーボン率の軽い素材をいくつか試していたが、どれもしっくりこなかった。最終的にカーボン含有率は88%とし、キャスト、ルアー操作、ファイトに関してベストなトータルバランスを突き止める事ができた。
ルアーアクションにおいては例えばペンシルをジャークした際のエラーアクションでエビり、貴重な一投を無駄にする事もある。それはロッドの柔らかさに問題がある。固く強さを強調した竿は難しさが際立ち、普段使いには向かないと感じる。
一日中80~100m以上フルキャストを無理なくこなせ、ルアーはエラーアクションしにくく、ガイドは強風でも糸がらみもしにくい。ファイト時はGTの突っ込みを柔らかく吸収するが曲がりすぎずに、余力のあるバットがドラグ調整などのやり取りする余地を十分に与えてくれる。
それが、このロッドの目指したところだ。
ガイド | カーボン含有率 | アクション | 仕舞寸法 | 先径・元径 |
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Fuji Sic | 88% | Regular(heavy ) | 155cm | 2.7mm/16mm |
全長 |
適合ルアー | 適合ライン |
重量 |
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8ft.6inch | MAX 160g | MAX PE#8 | 470g |